商学部 商業貿易学科 鍋村和眞
目次
1.活動の目的
2.2020度との比較
3.活動の課題
4.解決案
1.活動の目的
結論から申し上げると、日本人にモンゴルを観光地として認識してもらうためである。当ゼミは日本‐モンゴル間の貿易においてモンゴル側の貿易赤字を日本からの観光客を増やすことで解決することができると考えている。しかし残念ながら日本人が海外旅行を検討する際に恐らくモンゴルは候補として選ばれにくいのが現状である。その理由は「モンゴルの情報の少なさ」にあると考えている。そこで2020年度よりinstagramを通して写真や動画でモンゴルの情報の発信を始めた次第である。
2.2020年度との比較
(1)フォロワー数
2020年の6月にフォロワー数10人の状態から本格的に活動を始めてはや一年と半年が経過したInstagram活動であるが、2020年度(2020年6月~2021年3月)までにフォロワー数は500人弱まで成長した。そして2021年度5月についにフォロワー数500人を達成した。その後今日現在(2021年11月24日)ではフォロワー数は725人まで増加した。これは2020年度11月比で昨年から178%の成長である。
過去のフォロワー数のデータを基に上記の通りフォロワー数の変化をグラフに表してみた。このグラフから読み取れる気づきは主に2つである。
<1>2020年9月以降の安定的なフォロワー数の増加
<2>2021年9月以降のフォロワー数増加の鈍化
<1> 昨年度からの主要な取り組みであった投稿の継続が功を成したと考えている。特に2020年度は100回目の投稿達成まで毎日投稿の継続を行ってきた。2021年度になって以前より投稿頻度こそ減少したものの、アクティブアカウントとして投稿を継続していることによるものと考えている。
<2> <1>でフォロワー数は安定的に増加していると述べたのでやや矛盾しているように思うが、グラフが示す通り2021年9月以降のフォロワー数の増加が緩やかに鈍化している。要因としては2020年度と同様にコロナの影響によりモンゴルに行くことができないため最新のモンゴル情報や観光情報が載せられないこと、新しい写真が使えないことによる投稿頻度の減少による影響と推測する。
(2)投稿へのアクセス数
現状、我々の投稿への過去90日間(2021年8月27日~11月24日)のアクセスは日本からのアクセスが36.6%、モンゴルからのアクセスが26.1%である。過半数のアクセスが日本とモンゴルからということを念頭に置いておいていただきたい。
2021年度の投稿は3月から現段階で76回(※11月24日)である。2021年度の投稿の平均アクセス数は386回である。単純計算で現在のフォロワー726人のうち半分以上の人が一回の投稿を閲覧していることになる。逆に2020年度はどうだったかというと投稿回数は167回で平均アクセス数は365回である。アクセス数だけで判断すると2021年度の方が20回ほど多いが、2020年度はフォロワー数が400人だったことを踏まえると単純計算でフォロワー400人のうち90%以上の方が投稿を閲覧していることになる。注目すべきは2020年度に比べフォロワー数が2倍近くに増えているにも関わらず、アクセス数は2倍近くに増えていない点である。この理由は非フォロワーからのアクセスを得られていないためであると推測する。アクセス数が伸びる投稿は概ね非フォロワーからのアクセスがフォロワーからのアクセス数を大きく上回る傾向にある。
※参考資料(1)
参考資料(1)は2020年度に最もアクセス数が多かった投稿であるが、合計で1202のアクセスがあった。うちおよそ1000人が非フォロワーからのアクセスであった。このようにアクセス数が多い投稿を調べてみると、どの投稿も非フォロワーからのアクセスがフォロワーからのアクセスを大きく上回る特徴があることが分った。また、1202のアクセスのうちハッシュタグからのアクセス数が944であることから非フォロワーからのアクセスを得るためにはハッシュタグの効果的な活用が最も大切であることが分かる。
※参考資料(2)
逆にアクセス数が振るわない投稿は参考資料(2)のようにフォロワーからのアクセスの割合が高く非フォロワーからのアクセスが少ない特徴がある。さらにアクセス数239のうちハッシュタグからのアクセス数が57と少ないことから、非フォロワーはハッシュタグから我々の投稿にアクセスしていることが確証できる。
(3)投稿へのいいね数
結論から申し上げると、「いいね数」はアクセス数とは必ずしも比例しない。さらに、アクセス数はハッシュタグの効果的な活用によりコントロール可能なことが分ったが、「いいね数」に関してはなぜいいねが多かったのか、またいいねが少なかったのかを決定づける明確な理由が分からない。筆者なりに感じることとしては「いいね数」が多い投稿は色鮮やかな投稿や美しい投稿である傾向があるように思う。実際に2021年度は教授がこれまで撮影してきた風景、花、動物の投稿を主に行ってきたが、現在これらの投稿が「いいね数」の上位を独占している。
※参考資料(3)
参考資料(3)は上側が現在の「いいね数」の上位15回の投稿で、下側が現在の「アクセス数」上位15回の投稿である。ご覧の通り双方の上位15枚はほとんどが一致してない。このことから冒頭でも述べたようにアクセス数といいね数は必ずしも比例しないことが分かる。また、「いいね数」上位の15回のうち14回は2021年度の投稿である。2020年度に比べ2021年度は過去に教授が撮影してきた風景、花、動物の写真をメインに投稿しているため、この色鮮やかで美しい写真が閲覧者の心を打ったと推測する。
3.活動の課題
冒頭でも触れた通り、Instagram活動の目的は「日本におけるモンゴルの観光地としての認知度を高めること」である。この目的を達成するためには以下の2つの課題があると筆者は考えている。
課題<1>ハッシュタグの効果的な活用により非フォロワーからのアクセスを得ること
課題<2>投稿内容の類似化を防ぐこと
課題<1> アクセス数を増やすためには上記でも述べた通り、フォロワー数の増加に比例しないアクセス数を改善することが求められるだろう。アクセス数が多い投稿の特徴として非フォロワーからのアクセスがフォロワーからのアクセスを大幅に上回る傾向があり、さらに非フォロワーはハッシュタグから投稿にアクセスしていることが分かっている。つまり、ハッシュタグの効果的な活用で非フォロワーからのアクセスを増加することができれば活動の目的であるモンゴルの観光地としての認知度向上につながると推測する。
課題<2> 主に既存のフォロワーを飽きさせないためのアプローチである。2020年度と同様にモンゴルに行けてないことにより、最新のモンゴルの情報や観光情報を上げることができない状況である。筆者としても実際に投稿内容の類似化を感じる。
4.解決案
上記③で述べた課題<1>、<2>の解決案について筆者なりに考えてみた。
課題<1>の解決案
結論としてはInstagram上で多数使用されているハッシュタグの活用が解決の糸口になるだろう。
これまでの投稿でアクセス数が多い投稿(ハッシュタグからアクセスした非フォロワーが多い投稿)の特徴としてinstagramにおいて他の投稿者も頻繁に使用しているハッシュタグを使用していたことが分った。他の投稿者も頻繁に使用しているハッシュタグとは裏を返せば、閲覧者も興味を持ち頻繁に検索するハッシュタグである。例えば、「#travel」はこれまでのInstagram上の投稿で6億回以上使用されている。それだけ多くの人が興味を持ち、検索しているワードである。つまり、「#travel」を使用すれば、その投稿が誰かに見てもらえる可能性が非常に高まるということである。その他にも「#asia、#city、#trip、#nature」はInstagram上で数千万回以上使用されていて、実際にこれらのハッシュタグを使った我々の投稿はアクセス数上位に入っている。
しかし、活動の目的である日本でのモンゴルの観光地としての認知度を向上させるためには日本語のハッシュタグの活用が重要になってくる。そこで今後の投稿では今まで以上に日本語のハッシュタグを活用した投稿を行うべきである。例えば「#アジア」はInstagram上で37万回以上使用されている。筆者が推測するにアジア旅行をした人または検討している人、アジアの国々に興味がある人等がこのハッシュタグを使用しているだろう。実際にアクセス数一位の参考資料(1)の投稿でもこの「#アジア」が使用されていた。
その他にも「#動物、#海外旅行、#自然、#自然が好きな人とつながりたい」といったハッシュタグがアクセス数上位の投稿には含まれていた。これらのハッシュタグは全てInstagram上で数十万回以上使用されている。
課題<2>の解決案
2020年度同様コロナの影響によりモンゴルに行くことが難しい日々が続くが、いよいよ過去の撮りだめした写真のみでは難しい佳境にあると筆者は思う。いくらモンゴルが自然、風景、動物が目玉の国であるとしてもそれらの投稿のみでは、我々のことを初期からフォローしていただいている人たちには飽きられてしまうだろう。モンゴルに行くことができる状態であればモンゴルの最新の観光地の情報、イベント情報、お土産の情報などを発信したいところである。しかし、それが叶わない状況である今、我々にできることは参考資料(4)の2020年度に年馬頭琴演奏者のボルドエルデネさんにゼミに来ていただいて馬頭琴やホーミーの生演奏を聞かせていただいたように日本にいても体験可能なモンゴル文化を発信することだと思う。例えばモンゴルの伝統料理であるホーショールやボーズを作りそのレシピや調理風景を投稿してもいいし、モンゴルと関りのある方に会いに行ってもいいかもしれない。やり方は様々あると思うが、今までのような投稿に加えて国内でも体験可能なモンゴル文化を時には発信することで投稿内容のマンネリ化を防ぐことができると推測する。
※参考資料(4)